「国語の点数が悪かったのは、ちゃんと読まなかったから」
今日はテスト返却後の反省としてよく聞かれる弁です。
国語が出来ないのは「ちゃんと読む」ができないから?
テストや模試で思ったような結果が出なかった時は見直ししますね。
熱心な親御さんは子どもを呼びつけて、理由を尋ねることもあるでしょう。
「どうしてこんな点数なの?理由を言ってごらん」などと尋ねてみたりして。
すると子どもたちの答えで最も多いのが、この答え。
「文章をちゃんと読んでいなかったから」
子どもがこのように言ったら、この答えに対して何と返しますか?
まさか、こんなことを言って終わらせていませんか?
「じゃあ、次からちゃんと読みなさいね」
これでは何も解決していません。
理由はちゃんと言えていていいのですが、
これを理由に挙げたら問題の根は深いとみてよいです。
「ちゃんと読む」とはどういうこと?
そもそもちゃんと読むということがどういうことか分かっていません。
国語に対して苦手意識がある子、成績が悪い子は
ちゃんと読む、ということを
一字一句正確に文字を追いかけること、と無意識に思いこんでいる子が多いです。
しかし、これは読解ではありません。
文字を追いかけているだけです。
一字一句正確に追いかけようとすると集中力が途切れます。
文章全体の要旨をとらえることはできません。
時間が足りません。
その結果、
訳の分からないまま、あてずっぽうに問いを解くことになります。
読解とは、筆者の主張を読み取ることです。
筆者の主張が読み取れていれば、細部まで覚えておく必要はありません。
国語が出来ない子には
まずは口で言うだけではなく、「ちゃんと読む訓練」をしてあげる必要があります。
国語が苦手な子は「ちゃんと読む」どころではない
大人は文章も問いも日本語で書いてあるから、
読めばわかるだろうと思っている人が多いです。
でも、読み方も教えてあげないと
「ちゃんと読む」ことが出来ない子の方が圧倒的に多いのです。
子ども目線に立っているつもりで
自分の物差しで子どもを測ってしまう。
「これくらい読めて当たり前だ」と思ってしまうんです。
気合が足りないとか、我慢が足りないなどと言って子どもを責め立てます。
すると、ますます子どもは国語が嫌いになります。
特に今の子たちは、SNSなどの短文のやり取りに慣れているため、
長ーい文章を読まねばならない読解問題は訳の分からない異様なモノに見えています。
いきなり小学校低学年から中学受験の塾に入れて、
突然長文の問題を与えられても、内心パニックを起こしていることがあります。
でも大人は気付きません。
自分の物差しで考えてしまうからです。
慣れたらいいだろう、読めばわかるだろうと安易に考えているようです。
小学校低学年から受験塾に通っているのに国語が出来ないという子に会ったことがありますが、
結局、塾で国語嫌いになっているパターンが多いようです。
自分は訳の分からないまま、混乱したままなのに、
目の前にいる大人は勝手にどんどん進めていく。
置いて行かれそう、でもどうやって追いついたらいいのか分からない!
子どもは不安になるでしょうね。
不安で問題を解く所ではないのに、結果を求められる。
その結果、国語が嫌いになります。
「ちゃんと読む」とはどうすることか
では「ちゃんと読む」とはどうすることか。
大きく二つに分かれます。
①文章を読むとき
文章を読むときであれば、
筆者の主張を正確に読み取ろうという読み方をすること。
②問いを解くとき
問いを解くときは
何を聞かれているのかを明確にしてから、答えを探しに行くこと。
国語が苦手な子は特に②の問いの解き方から指導すると良いです。
実は、国語が苦手な子は
何を答えるのかはっきり分からないまま、答えを探しに行っていることが多いのです。
サンダルを足先につっかけて走り出すような感じですし、
暗闇で手探りしているようなもの。
欲しい答えが見つけるのに大変な苦労をすることになります。
そして、、、もうわかりますね。
国語、メンドクセーになります。
しかし、問いの読み方を矯正してあげるだけで結果が変わることが多いです。
結果が出るとモチベーションが上がり、継続的に学ぶ姿勢を維持できます。
国語の読解を出来るようになりたいなら、
まずは「ちゃんと読む」ことがどういうことかを
理解してやってみることが大切なのです。
今日はここまで。
近いうちにまたお会いしましょう。
国語の基礎の基礎から教えている国語教室です。