代表の田添マチ子です。
最近、ある人のスピーチに感動しました。
それはイギリスのエリザベス女王の国民へ向けた演説でした。
エリザベス女王に痺れた!
どの年齢層にでもわかる平易な言葉づかい、
厳選しつくされた言葉、
程よい長さ、
間の取り方、
そして言葉に込めた真心のエネルギー。
完璧でした。
外国人である私でも神が降臨したのかと思う程。
アルマダの海戦でスペインの無敵艦隊を打ち破ったエリザベス1世を思い出しました。
断固たる姿勢で立ち向かう!我々は負けない!という強い決意が行間に込められていましたね。
もう、ビシビシ痛いくらいに伝わりました。
イギリスの人たちはこの女王の加護の元、立ち直れる!きっと大丈夫だ!と希望を持ったに違いありません。
大衆に希望を授けられる、これぞ本物のリーダー。
イギリス王室には国難の時こそ王族が最前線にたつべし、という教えがあるのだそうです。
かっこいいですね。
エリザベス女王の演説には痺れました。
良いスピーチ=長い話???
さて、今日はスピーチの話です。
日本の人は良いスピーチは長い話と勘違いしている人が多いです。
特に年齢が高い人ほどそうです。
学校の朝礼や、卒業式の挨拶などが良い例ですね。
なぜ話を長くするのか?
私はこのように考えています。
1.何を言いたいのか自分でもよく分からない。
2.話す内容に自信がない。
3.よく分からないけど、長く話さないといけない思っている。
1.の人は気分で話します。話しながら話の落としどころが自分でも分からないからダラダラ話して時間だけが過ぎていきます。
2.の人は準備不足だし、そもそも人の前に立ってはいけない。自信がないからどんなに良い話をしても説得力に欠けます。
3.の人が実は日本にはとても多い。年齢層が上の人だけかと思いきや、そうでもない。
なぜなら良い話=長い話と思っている人に教育をされているから。
いずれにせよ、聞き手にとってはツラい時間となります。
私は長くてつまらない話は拷問だと思うほど嫌いです。(笑)
どうも、
長く話せば威厳が出せる、
長く話せる人が大人だ、とでも思っている人が多いようです。
これは聞き手にとっては苦痛でたまったものではありません。
私は子どもの頃から
面白くない!と判断すると途端に耳を閉じる子だったので
集中力がない子として親にも学校にも問題児扱いされていましたが、普通だし当たり前。
今もセミナーに行くときは講師の略歴を熟読して選びます。
最近は時間延ばしにしか思えない話方をするニワカ講師が多いからです。
人の前に立って話す人は
相手の時間をいただいて話す場をいただいているのですから
話す内容、言葉の選択などに時間を費やすべきなのです。
スピーチ下手は時間泥棒です。
女性リーダーが持っている力
エリザベス女王のお言葉は
長すぎず、短すぎない時間の中に
女王のお気持ちをギュッと詰め込んだ言葉を厳選し、
言葉の一つ一つに言霊を乗せるように発しておられた。
姿勢も発声も93歳とは思えないほど。
体幹がかなりしっかりしておられるのも要因の一つかもしれません。
エリザベス女王をはじめ、
今回のウィルス騒動で各国の女性リーダーの対応が称賛されていますが、
台湾の蔡英文総統、ニュージーランドのアーダーン首相、ドイツのメルケル首相などに共通していることがあります。
相手に合わせた平易な短い言葉で
目標は何か、具体的に何をするのかを明確に示し、
国民を団結させた。
これって、、、分かりますか?
やっぱり国語力がないと出来ないんですよねー。
国語力がない人はどうするか?
子どもの世界と同じ。
誰とは言いませんが・・・
まだ語彙が身についていない子どもと同じです。
伝える努力、すなわち理解し合う努力をせず、
泣いて暴れる、暴言を吐く、暴力をふるう。
実力行使という名の暴力に出ます。
国語は何をおいても最優先で学ぶべき理由がここにあります。
さて、日本のリーダーは…
安倍首相の言葉は、長いし、言葉に力が感じられない。
一定のリズムで抑揚がなく、力強さがなくて念仏のよう。
病を患っておられるし、激務でお疲れなのかもしれませんが…
「これは大事な話だ!」と一瞬で思わせる力がない。
馬耳東風の如く聞き流してしまう人は多いのではないでしょうか。
だから説得力がない。国民が言うことを聞かない、不満が出る。
アーダーン首相のスピーチを聞き、
「はて、日本はどこに向かっているのだろう?」と思いました。
しかし、そんな不安を感じている暇があれば
他力本願は捨て、
自分と自分の大事な存在は自分で守ると決めて行動する。
自分の人生は自分で決められるようにしておきたいものです。
子どもたちは長い休校期間に
有名人のスピーチを聞くなどして語彙を養うのはどうでしょうか。
厳選された言葉には力があります。
それに、高い目標を持っている子はこの休校期間にも休まず勉強していますよ。
それでは近いうちにまた。
コロナ国語教育アカデミー
代表 田添マチ子