秋ですねえ。
秋は過ごしやすくて好きですが、
何となく気忙しく、ソワソワします。
ちょっと落ち込むこともあります。
これは子どもの頃の名残です。
秋が深まると日に日に気温が下がり、
冬の到来を感じずにはいられません。
同時に「入試まであと少しだなあ…」と体感できてしまう。
これで気持ちが引き締まるならいいのですが、
私の場合は、いつも恐ろしくてたまりませんでした。
なぜならこのまま進んでいいのか、
今何をするべきなのか、全く分からなかったからです。
さらに、たずねられる人がいなかったからです。
小学5年生の頃に
「人間は一人なんだ」
「自分で考えて決めないといけないんだ」
と悟ってしまった日から、
人に相談できない子になっていました。
おまけに頑固さは筋金入り。
頑固さって、一見良いように思えますが、
柔軟性がないということであると当時に
考えることをさぼっているとも言えます。
未知のことについて考えるエネルギーが惜しい、
または
未知のことは怖い。
だから考えたくないということ。
だから従来通りの「成長できない思考」にしがみつく。
また、頑固だった私は
一見、しっかりしている子に見えたのか、
周りの人もあまり気にかけない。
もしくは、
「この子は何を言っても無駄」「この子は見込みがない」
と教師に疎まれていたか。(笑)
後者の可能性が高いです。
塾の先生も人間ですから
成績のいい子が好きだし、
合格の可能性の高い子にばかり実質的なアドバイスをしているのは12歳にも分かりました。
そんな様子からも「ああ、私はやっぱり駄目なんだな」と思いました。
私はずっと一人でした。
一人で考え、一人で決め、一人で動いていました。
だから未来が狭まってしまいました。
「一人で頑張らなくては」と思いつつ、
「だれか、私のことを聞いてくれないかな…」
と空を見上げていました。
子ども時代の経験が今、生きているわけですが。
この季節はご家庭でよく話し合うべきタイミングです。
・志望校のレベルはこれでいいのか
・このまま進んでこの子と家族は幸せになれるか
・このまま進んで、我が子は成長できるのか
・このまま進んで、合否以外の成長は見込めるのか
・その志望校は本当に我が子に合っているのか
是非、確認のための親子会議をしてください。
子どもが嫌がっても話すべきです。
最低でも月2回くらいのペースで。
その時に子どもの言葉だけを真に受けないようにしてください。
子どもは時に、自分の気持ちを正しく表現できないことがあるからです。
小学生ならなさらです。
塾の「きめ細やかな指導」は基本的にできる子だけのものです
塾に丸投げでは絶対にいけません。
他人が一人一人を我が子のようにみることは難しいのです。
そもそも受験は各ご家庭で主導権を握るべきです。
また、高すぎる目標設定は
子どもによっては、毒になりかねません。
高すぎる目標設定で
力が出せる子と、委縮する子がいるのです。
この辺りで見極めないと、つらくなる一方です。
秋はダメージを最小限にして目標を変更するラスト・チャンスとも言えます。
話し合いの最後にぜひ、こう言ってあげてください。
「お母さん、お父さんも一緒に頑張るよ」
「あなたは一人じゃないんだから何かあったら相談してね」
たとえ返事が返ってこなくても…
この言葉のパワーは伝わり、子どもを勇気づけます。
家族みんなで幸せになるお受験にしましょう。